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2007.08.07 (Tue)

蒼色のとき 第5章 幸せの落とし穴 第7話

俺だって、ちゃんと好きな人がいて
きちんと付き合ったこともあったさ・・・・


まだ幼くて
青臭かった俺は
それが一生の恋だと思っていた
そいつと一生一緒にいるもんだと思っていた・・・・


けど、世の中は
そんなにうまくもいかなくて・・・・

【More・・・】

「いて・・・・直樹のやつ、本気で殴りやがった・・・」


昨日、直樹に殴られたところが腫れて赤くなっている・・・
無理もないか、あいつの彼女に無理やり手を出したんだからな


俺だって、友達の彼女に手なんて出すつもりはなかった
好きになるなんて思ってもいなかった



初めて秋ちゃんを見たのは
今年の春・・・・

直樹が気になる人がいるって言って
無理やりついて行って遠くから見た


背は小さくて
制服を着ていなかったら小学生に間違えてしまいそうだったけど
直樹がかわいいっていうんだから
応援しようって思った・・・・


正直好みではない
かわいいとは思うけどそれ以上でも以下でもない

それからしばらくして
直樹が秋ちゃんと友達になったって言って
また無理やり同じ電車に乗って
今度は秋ちゃんと話す機会を設けた


遠くから見るのとまた違う
直樹が夢中になるのが分かるくらいかわいい
小さいのに存在感はばっちりある

だから、思わずいつもの軽いノリで
「俺に乗り換えない?」
なんて言ったけど
思えばあれは
本心だったのかも知れない
無自覚だっただけで・・・・



それから、直樹は秋ちゃんと付き合うようになって
いろんな話を直樹から聞いた

本当に幸せそうに、うれしそうに話をする直樹が
うらやましくて

秋ちゃんだったら
あのときの彼女が秋ちゃんだったら

俺は、あんなに苦しい思いをしなくてもよかったかもしれないって
思い出した



俺に初めて彼女ができたのは中学3年生のとき
同じクラスで
特にかわいいわけでもなくてスタイルがいいわけでもない
男の中で別に話題になるような子でもなかったけど
俺は、その子が好きだった


告白して「OK」もらって
付き合って、浮かれていた・・・・・


この子を一生守るとか一生そばにいるとか・・・
そんな、浅はかなこと考えていた・・・


けど・・・・
裏切りは突然発生する・・・・



彼女には、他に付き合っている男がいて
俺は2番目ってやつだった・・・


真剣に恋愛をするのが馬鹿らしくなった
人の気持ちはいつか冷める
だから、俺はもう誰にも真剣にならない・・・・

そして、みんなそうなんだって
勝手に思い込んでいた

けれど・・・・

直樹は違う
直樹はずっと秋ちゃんを思っている
高校が違って
離れている間も
ずっと、彼女を思っている


直樹は、はっきり言ってかっこいいと思う
男の俺が思うくらいきれいな顔をしている
当然、女にももてるし、実際何人にも告白されている

校門の前で他校の女が待ち伏せしているなんて日常茶飯事
中にはかわいい子もたくさんいるけど

直樹は見向きもしない

直樹の心を占めているのは

たった1人の女・・・・・



興味を持つのは当然だろ?



ごくたまにしか会わない彼女・・・・

だけど、どんどん俺の中で存在が大きくなる彼女・・・・



この人なら
この人だったら
俺はもう一度恋愛をしたいと思った


けれど
友達の彼女・・・・


俺が入り込む隙間なんて
何一つないのに


欲は抑えられない・・・・

自分自身のことなのにセーブがきかない・・・



泣かせるつもりなんてなかった・・・・

あんなふうにおびえさせるつもりはなかった・・・・



大事な人たちを傷つけて
どんどん嫌な奴になっていく自分がいやだった
怖かった・・・・

でも
もう後戻りはできない・・・・





「卓・・・・・ちょっといいか?」

学校に着くなり、直樹に呼ばれる
たぶん昨日のことだろう・・・・
殴ったくらいで気が済むとは思っていなかったし
ちょうどいい機会だから
俺の気持ちも全部直樹に伝えよう・・・・


「俺は、悪いことしたとか思ってないから」


「卓・・・・」


「人を好きになるのは自由だろ?俺もお前も」


「いい加減な気持ちで好きと言ってるならやめろ!秋ちゃんは、お前がいままで付き合ってきた女の人とは違うんだぞ!」



あぁ、分かってる
だから俺も好きになった・・・・
そういっても、お前は信じてくれないだろうけど・・・


俺は直樹を友達だと思っている
けど、秋ちゃんを好きだという気持ちを
抑えることもできない

だったら・・・・俺たちはもう一緒にはいられないんじゃないか?
どっちかが、秋ちゃんをあきらめない限り
俺たちは友達には戻れない

本来なら、俺が折れて
秋ちゃんをあきらめれば言いだけなんだけど
もう引き返せない
あんなことまでして
いまさらあれは冗談でした!
それは通じないだろ?


俺は、一歩も引かないし
直樹だって秋ちゃんと別れるつもりがないなら

俺たちは・・・・
離れるしかないんだ・・・・



「卓・・・・答えは変わらないのか?」


「ああ、直樹も、秋ちゃんを俺に譲る気はないだろ?」



今にも俺を殴り倒したくて仕方ないって顔をしている
そうだな、俺を殴ってそれでお前の気が済むんだったら
どうにでもしてくれて構わない
それで、俺が秋ちゃんを好きでいることを
認めてくれるのなら
俺は、どれだけ殴られたって構わない・・・・

けど、そんな事をしても
何も変わらないことを
俺たちは知っている

だから

そのまま無言で
俺たちは離れることになった・・・・




「花沢!はーなーざーわ!!」



「なんだよ・・・・うるさいな・・・・」



6時間目が終わって、さっさと帰ろうと思っていたところに
とっくに帰ったはずのクラスメイトが
血相を抱えて走ってきた


「こ・・・校門に・・・・」


「いいから落ち着いて話せよ・・・つーか、告白なら間に合って・・・・」



「めちゃめちゃ美人が立ってる!!」


「はあ?」


「つ、ついでにめちゃめちゃいい男も立ってたぞ!お前今度は何をしでかしたんだ!!」



あぁ、マジかよ・・・・
面倒だな・・・今度はどこの女だよ


秋ちゃんを好きになるまでいい加減な付き合いばっかりしてた俺は
彼氏がいる女とも付き合っていた
だから、別れた女が彼氏を連れてきて
俺にヤキを入れようとすることも多々ある


いつもだったら適当に相手してるんだけど
今日はそんな気力はまったくない


こういうとき
直樹がいっつも俺に忠告してたな・・・・


「いい加減な付き合いはやめろ」って・・・・


馬鹿だな、俺・・・・

何思い出してんだよ・・・・



仕方ないから校門まで歩いて行く
今日は殴られっぱなしでも構わないか・・・・
もう、どうでもいい



「・・・・?」



「こんにちは、あなたが花沢くん?」


校門で俺を待っていたのは
確かにめちゃめちゃ美人だったけど
その顔に記憶がない・・・・


「あ・・・・」



「よう・・・・」


女の後ろから出てきたのは
確か秋ちゃんの幼馴染とかいう・・・・・
っていうことは、彼女は・・・・秋ちゃんの・・・


「あなたに一つだけ言っておきたいことがあるの」


秋ちゃんの友達か?
そうか、俺に「秋に近づくな!」とか言いに来たのか?


「直樹に言われるならまだしも、君には関係ないよね?いくら秋ちゃんの友達だからって、男女の付き合いにまで口を出すのはおかしいだろ?」


「おい・・・おまえ・・・」


「何?それとも女って言うのは、そういうことに平気で首をつっこむ生き物なわけ?」


さすがに言いすぎだとは思う
けど、直樹だったらいざしらず
知らない女にそんなことを言われる筋合いはない



「うん、秋が誰とどういう付き合いをするかに口を出そうと思っていない」


黙っていた女が口を開いた
だったら、何しにきたんだこいつ・・・



「けど、秋が泣くことは黙ってられない!秋にあんなにつらそうな苦しそうな顔をさせる男なんて、秋に近づく資格なんてない!二度と、二度と秋に近づかないで!!」


それだけ言って女は帰ってしまった
一緒に来ていた秋ちゃんの幼馴染も


「そういうことだから、今後一切秋には近づけさせない」

それだけ言って女の後ろをついて行った


四面楚歌ってやつか・・・
ま、自業自得だけど・・・・




「こんにちは・・・・勝手に話きいちゃったごめんなさい」


「あぁ?誰だよ?」



秋ちゃんの友達と同じ制服を着た女が
にっこり笑って近づいてきた

なんだ?こいつも秋ちゃんの友達か?


「誰?秋ちゃんの友達?」


「冗談やめてよ!まったくの他人だから・・・・」



「だったら、俺に何か用?告白なら間に合ってるけど」


「だから、くだらない冗談はやめろっていってるでしょ!伊藤くんを追いかけてきたら、ここにたどり着いて、あなたが笹木さんに啖呵切られていたところに遭遇してしまった。それだけ」



それだけのことにいちいち顔を出してくるなよ・・・・
あの男伊藤っていうのか
どうでもいいけど・・・・
つーかなんだこの女・・・・


「これは独り言だけど・・・・・」



「・・・・・・」




「無理やり奪おうとしたって、人の気持ちなんて一つも手に入らないよ?ま、せいぜいもがき苦しんでください。それじゃ」




なんだ、あの女・・・・
他人の癖にしゃしゃり出てきやがって・・・・



分かってる
分かってるよそれくらい!

無理に手を出したって
おびえさせるだけで
好きになってもらうどころか


大事な友達だって失った


自業自得とはいえ
俺は自分からつらい道を選択したんだ・・・・


それでも、好きという感情は
収まることなくどんどん大きくなってくる・・・・


恋は、
恋は恐ろしく・・・・

自分の環境も何もかもを破壊していく・・・・



それでも、俺は・・・・


君が好きで
どうにかなりそうだ・・・・





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06:58  |  蒼色のとき  |  TB(0)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑

★あの女はもしや…

花沢…貴様に同情の余地はない!…サクラサル先生!私、本当に花沢嫌いです!にしてもサクラサル先生はストーリーテラーですね!読者の想像をいい意味で裏切ってくれます(^-^)あ~、続きが読みたいです!
大地オサム |  2007年08月07日(火) 10:07 | URL 【コメント編集】

★やっぱり!くの一さんが気になる !!(笑)

サクラサル先生!こんにちは♪
くの一さん、とうとう武史のストーカーになりましたか!!まさにくの一!!(笑)
俺は彼女がまた何かをやらかしそうで怖いですね・・俺はてっきり花沢と同盟結ぶのかと思っていたら・・・あと残るは先輩と同盟?(違うか!)
花沢にはそんな辛い過去があるんですね・・
二股・・辛いなぁ・・しかし!好きな女を泣かせるのはどうよ!?笹木さんの啖呵切る姿はカッコ良かったです!!
古田 |  2007年08月08日(水) 12:58 | URL 【コメント編集】

★No title

大地さんへ

あの女はもしや・・・くの一さんです!

別に出すこともなかったんですけど、どうしても森永さんを出したかったのです
せっかくつくったキャラなので!活躍させなくちゃ!と思ったんですよ~

続きを楽しみにしてもらえるのってうれしいですね!
これからもよろしくです!
サクラサル |  2007年08月08日(水) 14:00 | URL 【コメント編集】

★No title

玲一さんへ


花沢くんと森永さんは似ているので、手を組ませようかと思ったんですけど・・・・
どっちかっていうと似ているから嫌い!のほうがいいかな?と

二股っていうのはつらいものです
特に自分が本命じゃなかったときのショックは
どんなに時間が経っても忘れられないですよね?
サクラサル |  2007年08月08日(水) 14:02 | URL 【コメント編集】

★No title

うーん、なんとなく花沢の事を少しだけ好きになったというか、なんというか・・・
自分でも理解していることが出来ない不器用で可愛そうな男だと思いました。
いつか、花沢にも幸せな恋が訪れたらよいなと思います。
yuki |  2007年08月08日(水) 23:43 | URL 【コメント編集】

★No title

yukiさんへ

今回は花沢の過去にちょこっと触れてみました
いやな奴だけど
そういう奴になってしまった経緯ってのがあるよな~と思って書いてみました

かわいそうと思ってくれてうれしいです!
まだ考えてないけど
いつか花沢も幸せにしてあげたいと思います!
サクラサル |  2007年08月09日(木) 20:01 | URL 【コメント編集】

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