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2007.07.10 (Tue)

蒼色のとき 第3章 第4話 過去

逃げるから追うのか?
追うから逃げるのか?

そんなことはどうでもいいけど
俺は今、家族や恋人たちが行きかう遊園地内を
ひたすら走っている

【More・・・】

さっき笹木に声をかけてきた男
その姿を見て笹木は顔が青ざめて体を震えさせた

2人の間に何かあったのはすぐにわかった
笹木があの男を怖がっているのもわかった

いったい、何があったんだろう・・・・


笹木が入っていったのは遊園地の中でも人通りが少ない公衆トイレ
男もそれに続いて入っていった

さすがに、女子トイレまで追いかけることのできない俺は
隣の男子トイレに入って、中の様子を伺った

幸い壁が薄くて、中の声は筒抜けだった



「真由・・・・出てきてくれ、話がしたいんだ・・・」


「話すことなんて・・・・なにもないです」


「真由・・・・」


あんまり、考えたくないけど
この様子からすると
たぶん、元恋人とかそんな感じか?

しかも、男が原因で別れたっぽいよな
たく、笹木に何をしたんだ!
ちょっと声が低音ハスキーで
渋い大人だからっていい気になるなよ!


「早く出て行ってよ!あの中に彼女もいるんでしょ!」


「話を聞いてくれるまで行かない・・・・俺は・・・」


「うるさい!彼女とよりが戻ったんなら私にはもう構わないで!」


こんなに、興奮している笹木を見るのは初めてだ
いつもは冷静で、どんなことにも動じないから
あ、秋が絡むと別だけど

この話から察するに・・・・
二股ってことだよな
男が・・・・笹木と誰かを

ありえねぇ・・・
笹木がどうのこうのじゃなくて
二股をかけるってのがどういうことだ?
そんな奴、誰も幸せにできねぇよ・・・

くそ、むかつく
今から女子トイレにいってそいつを殴ってやろうか・・・・


「真由・・・・俺は、お前のこと遊びだったわけじゃないぞ」


「いまさらきれいごと言わないで・・・・大学生が中学生を本気で好きになんてならないでしょ・・・」


「俺は!遊びでお前を抱いたことなんて一度もないぞ!」



・・・・・・・
体の力が一気に抜けてその場に座り込む
そこが公衆トイレで汚いとか
そんなことはどうでもよかった

男が言った言葉が、頭の中で何度も繰り返される・・・・

抱いた・・・?笹木を?
二股をかけておいて、さらに手までだして
どこまで笹木を馬鹿にすれば気が済むんだ?

あげくに、話を聞いて欲しいだ?
ふざけんな!
どの面下げて笹木の前にきたんだ・・・

そもそも、ここで偶然笹木の姿を見つけなかったら
そんな風に言う事だって絶対なかったくせに!

許さねぇ!笹木を・・・
笹木をもてあそんだ罪は、お前の体に分からせてやる!



「い・・・伊藤くん!?」


「なんだお前!」


2人の声はもう聞こえない
俺には、目の前にいる笹木を傷つけた男の姿しかない

ありったけの力を振り絞って
男の顔面を殴りつける

俺の怒りは、そんなものじゃ収まらない
殴られて壁にもたれている男の胸元をつかんで
もう一度殴った
笹木は、笹木の痛みはこんなもんじゃなかったはずだ!


「伊藤くん!もうやめて」


「笹木は!笹木はもっと痛かったはずだ!こんなんじゃ収まらねぇよ!」


「もういいから!大丈夫だから!」


笹木は俺の腕をつかんで必死に止めようとする
なんでだよ!お前を傷つけたやつなんだぞ?
冷静なお前が、取り乱すくらい
傷ついたんだろ?


「真由・・・そいつ・・・誰?」


「あなたに関係ない・・・・私は、私の人間関係がちゃんとあるの・・・もう、私に構わないで」


「笹木・・・・」


笹木は男に視線を合わせようとしない
俺の腕をつかんだままだった
かすかに震えているのが分かる


「俺は、真由が俺のせいで男性不振とかになっていたらどうしようって、それだけ考えてたんだ・・・」


なんだよ・・・それ
お前が笹木に二股なんてかけるから
笹木は傷ついて
それで、こんなに震えて
俺のせいで男性不振?
ふざけんな!
原因を作ったやつがなにを偉そうにしてんだよ!

遊びじゃないとかそんな
きれいごと言ってんじゃねぇよ!


「伊藤くん・・・・大丈夫だから・・・殴ったりしなくていいから」


「けど、こんなこと言われっぱなしでいいのか?何か言ってやることないのかよ!」


「真由・・・・」



笹木はつかんでいた俺の腕をさらにきつく握った
そして、ゆっくりと落としていた視線を上げる


「笹木?」


「うぬぼれるのもいい加減にして。私はあなたのことなんてとっくに嫌いになってるから!もう、二度と私の前に顔を出さないで!」


まただ、震えている
相当、勇気を出して言ってるんだ
伝わってくる
笹木は嫌いになんてなってない
忘れられなくて引きずってるんだ
でも、その思いを
必死になって消そうとしてるんだ


「わかった・・・・なあ、あんた」


「なんだよ・・・・」


「真由をよろしくな」



それだけ言って男はトイレを出て行った
笹木は力が抜けたのか
俺にそのまま寄りかかった


トイレを出て、近くのベンチに腰をかけた
さっきとは逆に、俺が笹木のために飲み物を買いに行った

戻ってきたら、そこには秋と直樹の姿もあった


「おっす!急にいなくなるからびっくりしたよ。なんともないの?」


「おっす・・・大丈夫。もう終わったから」


「そっか・・・ならいいんだ」


秋は、笹木の過去の話を知っているのか?
まあ、どっちにしても深く追求されないのは助かるけど


「さてと、たくさん遊んだし!今日はもう帰ろうか?」


「そうだね、あ、秋ちゃんは俺が送っていくから、武史は笹木さん送ってあげてね」


「あ、おう・・・・じゃあな・・・」


えっと、俺と秋は家が隣だから、俺が秋と一緒に帰ったほうが早いんだけど
きっと、あいつら気を利かせてくれてんだろうな
がらにないことしやがって
次に会ったら礼しなきゃな・・・


「立てるか?」

「うん、大丈夫。今日はありがとう」


「え、別になんもしてねーし・・・それより・・・」


「気になる?」


「・・・・・・・」


「また、今度、ゆっくり話せるときがきたら、ちゃんと言うから」


「無理して話すことないぞ?その、笹木がつらいのは俺、嫌だし」


「ううん。すぐにとは言えないけど伊藤くんに聞いて欲しいんだ・・・」



それどういうことなんだ?
なあ、笹木
俺、また勘違いするぞ?
笹木が、前よりも俺のことを
好きになってくれているって
そういう都合のいい勘違いを
俺はしてしまうかもしれないぞ?


俺と笹木の距離
さっきよりもほんの少しだけど
縮んだような気がした

触れられそうで触れられない
もどかしいけど
そんな距離が
今は居心地がよかったりする・・・・




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07:15  |  蒼色のとき  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

★サクラサルさんへ

おはようございます。朝なにげにサクラサルさんのブログ拝見させてもらいしたら、なぁぁぁんと!続きが掲載されてるじゃないですか!朝から得しました!これからはサクラサル先生と呼ばせていただきます(^-^)。笹木さんの過去は『えっ』って感じでした。にしてもサクラサル先生は男子高校生の心理描写上手ですね…もしかして本当は…(笑)
大地オサム |  2007年07月10日(火) 08:22 | URL 【コメント編集】

せ・・・先生なんて呼ばないでくださいよ~(汗)
今日は朝から出かける予定だったので、早い時間に更新しちゃえ~という感じだったんですよ

そうなんです、実は私・・・・・
冗談です!女ですよ一応

男友達が多いので、彼らの話を参考にさせてもらってるんですよ!
サクラサル |  2007年07月10日(火) 21:05 | URL 【コメント編集】

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