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2008.04.08 (Tue)

仲良し(後編)

私はずっと
友達として悠と一緒にいた
だから
気づけなかったんだ自分の気持ちに





そうか・・・コレが恋なんだ

【More・・・】




自分の気持ちに気づいてしまった
前みたいに悠と友達になれないような気がして
今度は私が悠を避けている


なんだか・・・・本当に最近すれ違ってばっかりいるな
私たち



そういえば、最近新しいうわさを耳にした

「悠と新井さんが付き合っている」っていううわさ


悠と話をしていないから
真相は分からないけど
あの2人が一緒にいるところを結構目にする
その光景を目にするのがつらくて
私は2人を避けている



心の中で、よかったね悠って気持ちと
ちょっと前までは
そこは私の場所だったんだよ!っていう嫉妬が
私の中で入り混じって
どんどん・・・・苦しくなってくる

コレが恋というものなら
私は恋なんかしたくなかった
まわりから
男の子みたいって言われるなら
いっそのこと本当に男になってしまいたい
そうしたら
ずっと悠と友達でいられたのに
誰の目を気にすることなく
仲良しでいられたのに






はぁ・・・・・
最近部活にも本当に身が入らない
今日も部長に怒られた

いっそのことやめちゃおうかな部活
そうしたら悠の顔見なくてもいいもんね

ずっと一緒だったから
中学に進学したときに
何も考えないで同じ部活に入った
それが当たり前のように



それに今日も
新井さんが部活をのぞいていた


最近、部活を見にくるんだよね
そのたびに、部活仲間にからかわれちゃって悠

でも、いやそうな顔は全然してなくて・・・・



今日は渡したのかな・・・新井さん

私は知っているんだ
新井さんが部活の見学に来るたびに
小さな袋を隠し持っていることを

たぶん、前にトイレで話をしていた
手作りのお菓子かなんかだと思う

けど、なかなか渡せないんだよね
新井さん・・・・恥ずかしがりやだから・・・・


けど、渡せなきゃいいって思ってしまう
私は器の小さい人間なんだな
いやになる







「ねえねえ、今日も来てるよ?やっぱり柳瀬くんと付き合ってるのかな?」



「淳、柳瀬くんと仲いいんだから知ってるんでしょ?どうなの?」



「知らない・・・・・わかんない・・・・・・・・興味ない」



今日も新井さんは部活を見にきている
後ろにはやっぱりお菓子を隠している

渡せないなら
持ってこなきゃいいのに・・・・



また嫉妬・・・・
こんな感情いらないのに
黒くていやなものが
私の中を渦巻いている
気持ち悪い・・・・・気持ちが悪い・・・・・・・・・・







部活が終わってすぐに私は学校を飛び出した
悠に捕まらないように
走って河原まできて
そして土手に寝転がった


夕日がまぶしい
川もオレンジに染まっている

世界はこんなにきれいなのに
私の心の中はどす黒くて汚くて気持ち悪い

また涙が流れてきた








「淳!こんなところで寝るな!風邪引くぞ!」




「・・・・・・・・悠・・・・・」





走って追いかけてきたのか
悠は顔に汗をかいていて
息も上がっている


今日、自転車じゃなかったんだ・・・・・・

あ・・・・・
右手にもってるのもしかして・・・・・


「夏だもん・・・・風邪なんか引かないよ・・・・」



「どうだか、去年そんなこと言って夏に風邪ひいたのはどこのどいつだ」






そんな細かいことよく覚えてるな・・・・
あんたなんか新井さんのことだけ考えていればいいじゃんか!
なんで私に・・・・
私に構うのさ

最初に私を避けたのは
悠なんだから・・・・・






「なあ、最初にお前を避けたのは謝るからさ・・・また前みたくさ・・・・一緒にいようぜ?」




「・・・・・・どうして?」




「どうしてって・・・・そりゃ、なんかお前がいないと寂しいつーか・・・・」




「だけど・・・・・新井さんが・・・・嫌がるでしょ?」




2人が付き合っているなんて聞いていない
だけど
悠の右手に持っている
その小さな紙袋が全てを物語っている
今日、渡せたんだ新井さん

ということは、悠に自分の気持ちを伝えたんだよね?
悠も、その気持ちを受け取ったってことなんだよね・・・・・





「そんなこと・・・・新井さんは嫌がらないよ・・・逆に、なんで最近一緒にいないんだ?って聞かれたくらいだし」




「・・・・・・・・・私が・・・・いやなんだよ」



「何がだよ・・・・」




「他の人が好きな悠と一緒にいるなんて、私が耐えられないんだよ!言わせんな!ばか!」




悠の反応がみるのが怖くて
言いたいだけ言って私はその場から走り去った

言うつもりなんかなかった
だけど
言うしかなかった

好きとは言ってない
だけど
悠がどんなに馬鹿でも
私の気持ちには気がついたはずだ



友達なんかに戻れるわけがない
好きなのに・・・・
好きだから・・・・・
前みたいに友達には戻れない





次の日学校に行ったら
友達から聞かされた

新井さんと悠が付き合い始めたことを
私は笑えているんだろうか
いつもみたいに冗談を言えているんだろうか・・・・


自分の表情が分からない・・・・・







昼休み
友達と一緒にいることすらつらくて
私は1人屋上でご飯を食べている

でも、味なんか分からない
規則的に口にご飯を運んで
義務感で飲み込む

今日は快晴ですって朝の天気予報で言っていた
たぶんそうなんだろうけど
空が明るいと思えない

重症だ・・・・・・・






「あ・・・・・・・早川さん・・・・」



「・・・・・・?」


フェンスに額を当てて寄りかかっているところに
新井さんに話しかけられた



珍しい、1人だ
いつものあのうるさい友達と一緒じゃないんだ
それに
悠もいないみたいだし




「何か用?」



やだ・・・これ、本当に私の声?
信じられないくらい低い
明らかに
敵対心丸出しみたいで本当にいやになる
自分が






「あの・・・・・最近、柳瀬くんと一緒にいないから、どうしたのかな?って」




そんなこと気にしてるの?
本当にどこまでいい人なの?

いっそ、新井さんがいやな人だったら
嫌いになれたのに
すっきりしたのに

「あんな女が好きなんて趣味悪い!」って
悠に言ってやれるのに




「別に?悠も彼女ができたんだから、いつまでも女友達と遊んでられないって思ったんじゃない?」




「だけど・・・幼馴染でいつも一緒だったのに、最近冷たいって柳瀬くん寂しそうだったし、私も・・・気になっていたし」




新井さんがいなければ
そんなことなかったんだよ・・・・・
私と悠はずっと一緒にいられたんだよ


ねえ、私・・・・すごい我慢してるんだよ?
ずかずか私の心に土足で入ってこないでよ?

親切心?それとも自分の彼氏が元気ないから
自分がなんとかしてあげようとか思ってるの?

そういうのおせっかいっていうんだよ
一度教えてあげたほうがいい?








「・・・・・・新井さんが気にすることじゃないし、そもそも、私と悠の関係は新井さんには関係ないじゃない・・・・・それに、新井さんは悠の彼女なんだし・・・私がいないほうが都合いいでしょ?」



「そんなことは思わないよ!そりゃ・・・・他の女の子と仲良くしていたら気にはなるけど、早川さんと柳瀬くんはそういう関係じゃないって知ってるし・・・ずっと仲良くて同姓の友達みたいだって言ってたし」




そんなこと
あんたの口から聞かなくても分かってるよ!
余計なことしなくていいよ!

もう私に関わらないでよ!





それ以上新井さんと話をして痛くなくて
私は屋上を出て行って
そのまま学校も出て行った


これ以上悠とも新井さんとも同じ空間にいたくなくて
いつもの河原で
私は寝転がって空を眺めた


時間が戻ればいいのに
そうしたら、新井さんとぶつかったあの日を
なくしてしまうのに


なんて・・・・
馬鹿なこと考えてどうするんだろ

重症どころか以上だよ私







「淳!お前!!何学校飛び出してんだよ!」



「・・・・・・・・・!?」




「窓ボーって眺めてたら、お前が裏門から飛び出して行くのが見えて、それでお前のかばんもって追いかけてきた」





なんで・・・・なんでそんな事するのさ!
あんたなんて新井さんのことだけ考えてればいいのに
どうして私を構うの
言ったじゃんか
他の人を好きな悠と一緒にいるのはいやだって
あの言葉の意味分からなかったの?




「・・・・・・お前の気持ちが・・・・正直うれしかった」



「・・・・・・何、それ・・・だったら新井さんと付き合ってんじゃないよ」



「だけど、俺の好きと淳の好きは違うんだよ」



「惨めになるからそんなことわざわざ言わないでよ」



「だけど・・・・・このままだったら、もう一生お前と離れ離れじゃんか!俺、それはいやだ」



「わがままだよ・・・・それは」




私だっていやだよ
このまま悠と口も聞けなくなる関係なんて
だけど
他の人が好きな悠と一緒にいるのは
苦しいんだよ
つらいんだよ・・・・
自分のことを好きじゃない人と一緒にいるなんて




「これ・・・・・・」



「なに?」


悠は下を向いたまま
ちいさな紙袋をくれた
この袋・・・・それにこのシール
前に新井さんにプレゼントするためのタオルを買いに行った店の?



「いいから黙って開けろよ」




中から出てきたのは
私が可愛いといっていた「サルトウさんのキーホルダー」

覚えてたの?
でも、なんで・・・・・?




「お前、今日誕生日だろ?だから・・・・・あの店、1人で入るの恥ずかしかったんだからな!ありがたく受け取れよ」




「1人で入ったの?」



だって、あんな可愛い店、1人で入るのいやだって言ったじゃん
それなのに、私がほしいって言ったから
1人で買いにいってくれたの?
新井さんと一緒じゃなくて?




「ダチのプレゼントくらい・・・・1人で見に行くもんだろ・・・・」



「・・・・・・・・ダチ・・・・・」



「違うのかよ」



「違わない」





しばらくの沈黙の後
悠が話し始めた



「俺さ・・・・新井さんのことが好きだ・・・だけど、お前のことは友達として一番つーか・・・・お前がいないと、だめなんだよ・・・・何か欠けたみたいで、どこかが・・・だからさ・・・ずっと一緒にいてくれよ。いやな男かもしれないけど」




「私も・・・・悠がいないと、欠けた感じがしていた、ずっと・・・・・」



この苦しい気持ちも
嫉妬で渦巻いた黒い気持ちも

悠が目の前にいて
うれしく思うこの気持ちも


全部・・・・・・・


恋だったんだ・・・・・






「おはよ~~~あれ?淳ちゃん、そのキーホルダーかわいい!」



「でしょ?」



「それになんだかいいにおい?この~~ついに目覚めたな?」




「まあね?」





私と悠の関係は変わらない
あれからまた前みたいに仲良しで
一緒に登校して
休み時間にはふざけあって
一緒に部活して

ただ1つ違うのは
悠には新井さんがいるということ

新井さんにはちゃんと謝った
いやなこと言ってごめんなさいって

そしたら新井さんは
笑って「気にしてないよ」って言ってくれた
もう少し時間が経ったら
新井さんとも仲良くできる気がする

そして私も
新しい恋をしようと思う



今度は、お互いがお互いを好きになるような
幸せな恋をしたいと思う



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12:04  |  短編小説  |  TB(0)  |  CM(5)  |  EDIT  |  Top↑

★たびたびお邪魔します(^^)/

淳の切ない気持ちが、本当胸を締め付けられるようで・・・切なかったです(>、<)
でもまた悠の気持ちもわかる・・・。恋とは違う失いたくない友情。
あとで気づく切ないまでの恋程切ないものはないし・・。誰もが一回は経験してそうな感じがまたいいんですよねぇ!!
でも、やっぱりこれこそが、サクラサル先生の真骨頂!次回の新作も楽しみにしてます!!(^^)/
古田 |  2008年04月13日(日) 15:18 | URL 【コメント編集】

★No title

こんばんは m(_ _)m 。。

研修などで忙しかったため更新していませんでしたが
物語を更新しました。また遊びに来てくださいね。。

ポチ!!
ドダドゥド |  2008年04月13日(日) 21:44 | URL 【コメント編集】

★No title

古田さんへ

ひさしぶりになんか甘酸っぱいそして切ない恋愛を書きたかったので!
こんな思いはきっと誰もが1度は経験するんじゃないかな~と思ってます
恋と友情は天秤に量れない・・・だから切ないんですよね!
次回作も今考えている最中です!
お楽しみにです!
サクラサル |  2008年04月15日(火) 18:43 | URL 【コメント編集】

★No title

ドダドゥドさんへ

忙しい中遊びに来てくださってありがとうございます!
新しいお話読みに行きますね!
サクラサル |  2008年04月15日(火) 18:45 | URL 【コメント編集】

★管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2008年12月20日(土) 22:26 |  【コメント編集】

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