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2007.07.09 (Mon)

蒼色のとき 第3章 第3話 恋愛中毒②

初めて笹木を見たのは入学式
正確に言えば生徒玄関なんだけど
あまりの大人っぽさに、年上だと思った
きれいで、背筋がぴんと伸びて
その辺にいた女とはぜんぜん違った

【More・・・】

当たり前だけど、他の男たちも笹木を見ている
何人か笹木に告白してたけど、どれもみんな玉砕した

あれだけきれいな女は、どんな男とつきあうんだろうって
そんなことばっかり考えるようになった


いつの間にか笹木は秋と仲良くなって
秋と一緒にいたら、笹木もいるっていうのが普通になってきて
他の男子よりも笹木と話す機会が増えた
それはすげぇうれしかったんだけど
クラスメイトの枠を超えることができなかった

寝ても覚めても笹木のことばっかり考えて
しまいには、隠し撮りまでして写真を眺めるようにまでなって
いけない妄想もどんどんエスカレートして・・・
たぶん、これが「好き」とかいう気持ちなんだろうな

初めてだからよく分かってないけど


ずっと黙ってるつもりだった
誰にも言わないで自分の胸にしまっておくつもりだった
告白したって断られるに決まってる
自分がつりあってないことくらい分かってる


でも、ばれちまったんだよな
秋と桜木に・・・・


秋が勝手に俺の気持ちを笹木に伝えているのを
偶然聞いてしまった

最初は、なんで勝手なことをしてるんだと思った
こんな形で自分の気持ちが伝わるなんて
でも、笹木が俺のことどう思っているか
知るのにいいチャンスだとも思った


そしたら・・・
まさか、秋が俺のこと好きってことが判明したわけだ

いつから?
いつからそんな風に思ってたんだろうって
頭の中がパニックになった・・・・
そんなそぶりがぜんぜんなかったから

動揺してその場にうずくまっていたら、笹木が教室から出てきた
立ち聞きしていることがばれた!って一瞬あせったけど
笹木は俺にぜんぜん気づいてなかった
ただ、苦しそうに、涙を流して
走ってどこかに行ってしまった

それでわかったんだ
笹木は、秋のことを何よりも大事に思ってるんだって
だから、俺は2人には仲直りして欲しかったんだ

俺は笹木にあんな顔をさせられない
たとえ俺たちがけんかをしても
笹木はあんな風に苦しそうなつらそうな顔はしてくれない

俺はまだ、笹木の中ではただのクラスメイトなんだって実感したんだ

悲しいけど、それは事実だ


でも、俺はあきらめない!
秋のおかげで笹木と仲良くなって
ようやく男友達くらいまで(自分で思い込んでる)になった
次は彼氏になれるように努力あるのみ!




「伊藤くんってさ・・・・たまにトリップするよね・・・・」


笹木に話しかけられてようやく現実世界に戻る
俺、どのくらい別世界に行ってたんだ?


「ご、ごめん・・・・なんかボーっとするのが癖でさ」


「ううん、早く行こう!秋たち先に行っちゃったよ」



笹木に引っ張られてジェットコースター乗り場まで行く
いいな、こういうのなんか恋人同士っぽいかも・・・

あぁ、秋・・・
こんないい機会をありがとう!


俺たちはいろんな乗り物を乗り歩いた
普段は絶対乗らないようなものまで
笹木が乗りたいというなら、メリーゴーランドだってどんと来い!なわけで
ちょっと恥ずかしかったけど・・・・


ただ、それで気がついた・・・・
自分の片思いを嫌というほど思い知った・・・・


秋は直樹を見ている
直樹は秋を見ている

それは、こっちが見ているのも恥ずかしいくらい
お互いを思いやっているのが分かる


けど・・・・

笹木は俺を見ていない
見ているのは俺だけ

笹木は線を引いている
友達の線を引いている

優しいようで、突き放す
きちんと距離をとっている

俺が傷つかないように
でも、自分に気があるようにも思わせない


さっきの熱意も
簡単に粉々になっていくような
そんな感覚にとらわれる・・・・



「伊藤くん・・・・大丈夫?なんか顔色よくないけど」


「そ、そうか?気のせいじゃないか?」


「気のせいじゃないよ・・・私なにか飲み物勝手くるからそこで休んでて?」


俺をベンチに座らせて、笹木は自動販売機に向かっていった
その優しさは、友達に対する優しさなんだよな・・・・


普通、別になんとも思っていなくても
自分に好意があると感じたら
よほど嫌な奴じゃない限り
少しくらいは舞い上がったりしないかな・・・・

俺は、秋が俺のこと好きだって知ったとき
戸惑いもあったけど、少し舞い上がった
俺のことを、好きだという奴がいるんだって
ちょっともてたような気がして
うれしかった


けど、笹木は違う
俺じゃなくても他の男が告白しても
舞い上がったりしない
相手が勘違いしないように
思わせぶりな態度は一切とらない
それが一番
相手が傷つく事だって
分かっているんからだろ?

笹木
笹木は、そんな風に誰かに傷つけられたことがあるのか?
思わせぶりな態度をとられて
傷ついた恋愛をしたことがあるのか?


しばらくして、笹木が戻ってきた
笹木が買ってくれた水を一気飲みしたら
少しだけ気分がよくなった


「ねえ、つらかったら秋たちに言って先に帰ろうか?」


「大丈夫!久しぶりに遊園地きたからちょっと疲れただけ」


やばい、そんなに優しくするな
わかってる
具合が悪そうなやつがいたら心配するのは当たり前だ
これは、別に思わせぶりな態度とかそんなんじゃないこともよく分かってる
けど、俺は笹木が好きだから
変な期待もする
俺のこと、少しくらいは好きなのかな?とか
ありえない妄想をしてしまう・・・・


「笹木・・・あのさ・・・・」


「うん?」



「真由・・・・」



渋くて低音な声が俺の後ろから聞こえた
直樹じゃない・・・よな・・・・

でも、今「真由」って呼んだ

笹木の知り合いなのか?


「・・・・・・!?」


目の前にいる笹木の顔が青ざめていく
後ろを振り返ると、大学生かな・・・たぶん俺たちより年上だよな

笹木の知り合い?
でも、ただの知り合いじゃないよな
笹木の体が震えている・・・


「笹木!?」


笹木は勢いよくベンチを立って、そのまま走り出した
笹木の名前を呼んだその男も、笹木を追って走っていった

それに続いて俺も2人を追いかけた


なんだ?なんなんだ?あの2人
いったいどういう関係なんだ・・・・?





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10:03  |  蒼色のとき  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

新たな場面に展開していきそうですね!伊藤君の男気に期待ですね!
大地オサム |  2007年07月09日(月) 20:42 | URL 【コメント編集】

コメントありがとうです

情けない武史が男っぷりを発揮する場面なので、気合を入れて続きを書きますよ~

実は直樹よりも好きなキャラクターです
サクラサル |  2007年07月09日(月) 21:00 | URL 【コメント編集】

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