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2013.09.12 (Thu)

リプレイ(後編)

先生に呼ばれて、田中くんのケアをして・・・・
それから、さっき斉藤くんがなんていっていたのか
確認しようとしたんだけど

斉藤くんはなかなか捕まらない

ううん・・・あたしが
臆病なだけだ・・・・


斉藤くんが一人になったら話しかけようって思って
だけど、なかなか一人にならなくて


べつに、友達といるときにちょっと
呼んで話を聞いてくるだけでいいのに・・・


告白する前は
そんなこと簡単にできたのに

なんでだろう・・・・
今はそれができない・・・・


「さっき・・・・なんていったのかな・・・・」



不安だけが募って
時間は過ぎ
学校に戻る時間になった・・・・



遠足と言っても、バスで目的地の近くまで行って
そこから少し歩くだけ・・・・

帰りも同じ
バスが止まっているところまで歩いて
そこから学校まで走って、そこで解散



で、斉藤くんとお話しなきゃなんだけど・・・・

どこにいるの?


考えてみれば
待ち合わせなんてしてなかった・・・・


もしかして、さっき聞きそびれたのは
待ち合わせの場所なのかな?


ど、どうしよう・・・・
斉藤くんの姿が見当たらない



そ、そうだ・・・電話!
電話すれば・・・


って!メモリ消去したんだった・・・・


だれか、斉藤くんの番号知ってる人いないかな・・・・


みーちゃん!
みーちゃんなら斉藤くんの番号知ってるかもしれない!



あたしは走ってみーちゃんを探す
校舎中を駆け回って
ようやく見つけた!!



「みーちゃん!!」



「うわ!な、何・・・・ハナ!なんでここにいるの!斉藤と話してないの?」



「そ・・・・そのことなんだけど・・・・」


まあ、驚くのも無理はないよね・・・・
友達が汗だくで、たぶん目は血走ってるだろうし・・・
うん、でもね今はそんなのどうでもいいわけよ!!
あたしは肩で息をしながら
みーちゃんに「お願いポーズ」をとった・・・・

混乱しているみーちゃんから
なんとか斉藤くんの番号をゲットした・・・・


よ、よかった・・・これで・・・・斉藤くんの居場所がわかる・・・・


震える指で番号を押す
気を利かせてくれたのか
みーちゃんはもうそこにはいなかった


プルル・・・・プルル・・・・コール音が聞こえる
緊張が高まる・・・・

こうやって、電話をするのは久しぶりだな・・・・



「もしもし・・・?」


「あ!斉藤くん!!ハナだけど!」


間髪いれずにあたしは話を続けた
どこにいるの?今すぐいくね!とか・・・・


でも・・・・
聞こえてきたのは・・・・

斉藤くんの声じゃない・・・・・


えぇ!?



「は?ハナって・・・・鈴本か?なんで俺の携帯に・・・って・・・斉藤と掛け間違えんなよ!」



「・・・・・・・・佐藤・・・・くん?」


ちょっと待ってよ!これ佐藤くんの番号!?
なんで佐藤くんにかかって・・・・


み・・・みーちゃん!!
これ佐藤くんの番号ですよーーーー!!

なに間違ってんだよ!!



「ご!ごめんね!佐藤くん!それじゃまた!」



あわてて電源を切る
な・・・佐藤くん相手に斉藤くん!って呼びかけちゃったよ・・・
か、かなりの勢いで恥ずかしいんですけど

こりゃ、明日にはうわさになってるな・・・・
はぁ・・・・



って!ため息をついている場合じゃない!
斉藤くんを探さなきゃ!
斉藤くんに連絡をとらなきゃ!

あ~~~でも、どうやって?
さっきからみーちゃんの携帯にかけても
みーちゃんは電話にでないし・・・・


そっか、斉藤くんと仲のいい友達を探そう!
その人に斉藤くんの番号を聞けば・・・




あたしは再び校舎を走る
遠足だったから、ほとんど生徒は残っていない
バスから降りてすぐに家に帰った人がほとんどだから

斉藤くんを探すのも
斉藤くんの友達を探すのも
困難だ・・・・

でも、あきらめない!
斉藤くんはきっと待ってる・・・・

だから・・・
絶対に会いにいかないとだめなんだ!!





こんなに探してるのに・・・・
全然見つからない
斉藤くん自身も
斉藤くんの友達も・・・・

あぁ、ついに天はわれを見放したか・・・
って、詩人?哲学者?みたいなことをいってる場合じゃないんだけど・・・

うぅ・・・・斉藤くん・・・・
今、どこにいるの?
もう、待ちくたびれて
怒って帰ったかな・・・・



会いたいよう・・・・
斉藤くん・・・・

どこなの?



さっきまで嫌になるほど青かった空が
オレンジ色に染まってきた

あたし・・・・どのくらい探しまわったんだろう

足も・・・ぼろぼろ
こんなに走ったの久しぶり


もう・・・帰ろうかな?
斉藤くんだって・・・・さすがに
待ってないよね・・・もう・・・・


涙・・・こんなところで出てこなくてもいいのに
視界がぼやけて歩けないじゃんか・・・・


ピルルルルル・・・・・

私の携帯・・・・・?
あ、みーちゃんかな・・・・さっきから何回もかけてるから・・・・


ポケットにしまってあった携帯を取り出して開いた
みーちゃんだと思って開いた画面に表示されているのは
知らない番号・・・・
でも、この数字見覚えあるような・・・


まさか・・・・・・?




「も・・・もしもし!」



「よう・・・・いつまで待たせるんだよ・・・・」



「さ・・・・斉藤くん?」




この声・・・・この話し方・・・・
斉藤くんだ・・・・

いろんな疑問があったけど
素直に・・・うれしい
斉藤くんの声が聞こえた

それだけで・・・・
安心・・・
涙がさらに
あふれでる・・・・・




「・・・な・・・なんであたしの番号・・・・」



「なんでって・・・・っていうか、ハナ・・・・俺の番号まさか消去したの?」



「・・・・・うん・・・・」



「はぁ・・・それでか。まあ、いいや・・・・今どこにいるの?俺がそっちに行く!」



「あの・・・まだ学校に・・・・」




分かった、っていって斉藤くんは電話を切った
斉藤くん、私の番号消去してなかったんだ・・・
そっか・・・斉藤くんの携帯の中には
まだあたし・・・・入っていたんだ・・・・




教室で斉藤くんが来るのを待っていた
その間、何度も着信履歴を開いては
斉藤くんからの着信を確認して
にやけていた・・・・


あたしも登録して・・・いいのかな・・・?




遠くから人が走ってくる音が聞こえてくる
だんだん近づいて
教室の前で音が消える・・・・


斉藤くん・・・きたのかな?

携帯を閉じてポケットにしまう
自分の格好にへんなところがないかチェックして
斉藤くんがドアを開けるのを待った



少しずつドアが開く
逆行になってよく顔が見えないけど
斉藤くんだ・・・・


本当に来てくれたんだ・・・・





「よう・・・・ずいぶん待ったぞ・・・」


「ご・・・・ごめん・・・・」


二人っきりの空間
オレンジ色の光に包まれて
ムードは最高


一回ふられていなければ
絶好の告白のシチュエーションなんだけどな




「青空台公園で待ってるっていったのに・・・・・」



「ご、ごめん・・・聞こえなくて・・・・」


「相変わらず、大事なところは抜けてるんだな・・・・」



「・・・・・・相変わらずってなによ・・・」



あ、この感じ
あのころと同じ

仲良くしていたあのころと


青空台公園・・・・・学校帰り
よく二人で行った公園
中学生にもなってブランコにのってよく遊んだよね・・・・
楽しかった・・・・私の思い出の場所


そこで・・・待っていたの?
どうしてそこなの?

斉藤くんも・・・・私と同じ思いなの?
二人の思い出って思ってくれてるの?


「ちゃんと話・・・したほうがいいって・・・・園田も言ってたし・・・・あそこだったら誰にも邪魔されないと思って・・・・」



「う・・・うん・・・・そうだね・・・・あの・・・・」



ふぅ・・・緊張してきた
そうだよね、今日はちゃんと話をしようってことだった

あきらめよう、忘れようとしたけど・・・・
私、まだ斉藤くんのこと好きだ

今日、走り回って
必死に斉藤くんを探して
かかってきた電話に喜んで・・・・・

これは・・・まだ好きって証拠・・・・

だから、玉砕覚悟で
私は・・・・もう一度
あなたに告白します・・・・


「ごめんね・・・あたしまだ、斉藤くんが好き・・・・・」



「・・・・・・・・」



「あきらめようって何度も思ったけど・・・・今日、電話もらってすっごくうれしかった・・・・斉藤くんが、まだ私のメモリ携帯に入れていてくれたって・・・」


たとえばそれが、消すのが面倒だとか
そういう理由だったとしても・・・・
でも、電話をかけてくれたってことだけでも
うれしいから・・・・




「だったら・・・・・なんで・・・俺のメモリ消すんだよ・・・・」


「だって・・・それは・・・・!」



ふられたからに決まってるじゃん・・・・
それに斉藤くん、好きな人いるって言ってたし・・・
だから・・・・


「お前って、本当、人の話最後まで聞かないよな・・・・」


「それ・・・今なんか関係あるの?この話の流れに・・・」



「ある!たく・・・・あの日も、ちゃんと最後まで話を聞いてくれたら、こんなことにはならなかったのに・・・・」




そういって斉藤くんは頭を抱えてその場にしゃがみこんだ

あたしもそれにつられてしゃがみこむ・・・・
なに?なんなの?



「あの日・・・・お前が俺に告白してくれて・・・・それで・・・俺・・・好きな人いるって・・・言ったよな?」


「う・・・・うん・・・・」



だから・・・失恋したんじゃない・・・・なに?なんなのよ?


「話・・・続きがあったのに・・・お前逃げるから・・・・だから、話せなくなった」



「続き?」



斉藤くんの好きな人の話なんて聞きたくないから逃げたんだけど
続きってなんだったんだろう・・・

今、聞けるのかな?



「次の日、ちゃんとお前に話そうと思ったのに・・・お前、俺を避けるだろ?電話も出ないし、メールも返さない・・・・だから・・・ずっと話せなくて・・・・今日はチャンスだと思ったのに・・・・お前・・・・来ないし・・・」



「だから・・・それはごめんって言ってるじゃない・・・」



って・・・あれ?
なんかさっきのあたしの告白流されてるような気がするんだけど・・・・
あれ・・・・?えーっと・・・・


「ねえ・・・黙ってないでなんかいってよ・・・・」


「う・・・・うるせー!心の準備ってもんがあんだよ!」



な・・・・なによ!なんで斉藤くんの顔が真っ赤になってるのよ!

こ、こっちまで顔が赤くなるじゃない!
何よ・・・・続きってなんなのよー!!




「あー・・・・よし!言うぞ!一回しか言わないからよく聞けよ!」



「う・・・・うん・・・!ど・・・どうぞ・・・・」



しゃがんだまま、斉藤くんは私の両肩をつかんだ
私の目をしっかり見て
そして、深く深呼吸をした

なに?
もう、何を言われても
覚悟はできてるよ!

だって、私は・・・・
斉藤くんをあきらめないって
決めたんだから!!




「俺は、お前が好きなんだ!」



ハナロボット、ただいま斉藤くんの言葉を分析中・・・・
分析中・・・ぶんせきちゅう・・・・ブンセキ・・・・・



「・・・・・・・・・・はぁ?」



「はぁ?じゃねーよ!!なんだよ!人の告白を!」



「ちょっと・・・今日はエイプリルフールじゃないよ?」


「分かってる!つーかうそなんてついてねーよ!」



意味がわかんない!
あたしが好き?う・・・うそだ!

あたしが好きだったら、なんであの時断ったりしたんだよ!

いまさら・・・・そんなこと言ったって・・・・
あ、うれしいはずの言葉なのに
信用できない・・・・




「だーーーー!!よく聞け!俺はな!あん時・・・・好きな人がいる・・・それはおまえだ!って・・・言いたかったのに!おまえが逃げるからこんな目に!!!」



「はい?ちょっと待って!それあたしのせいなの?ねえ、そうなの?違うよ!だったらあんとき素直に「俺も」って言えばよかったじゃん!!」



「お・・・・俺は・・・・・」


「何よ!」




「俺は・・・好きな女には自分から告白したかったんだよ!!!」




あ~~~恥ずかしい・・・・
って言って、斉藤くんは顔を鎮める・・・・

耳まで真っ赤にして
だけど、両手はあたしの肩をつかんだまま離さない

だから・・・・あたしもその場を動けずにいた・・・・


思いがけない告白に
頭がついていけなくて
肩をつかまれていなくても
動けなかったと思うけど・・・・・




なんだ・・・あたしたち・・・・
すれ違って、空回りばっかりしていただけなんだね・・・・





それからしばらくして
あたしたちは手をつないで帰った・・・・

あのころみたいに
笑いあって

でも違うのは
お互いの手をつないでいるっていうこと




「なんだかな・・・・俺ら馬鹿だな・・・・お互い好きあってるのに、何ヶ月も離れ離れで」


「うん・・・・でも、いいや!こうして斉藤くんと前見たく仲良くできて・・・・それに・・・好きって言ってくれてうれしいし」


「お・・・・う・・・・」


「こういうの・・・・世間ではバカップルっていうのかな?」


「馬鹿はお前だけで十分だ・・・・」


「なにおう!」



オレンジ色の空は
すっかり暗闇に飲み込まれて

あたしたちの影も
その暗闇に落ちて行く

でも、つないだ手はそのまま
もう一生離さない

これからはずっと一緒だよ!


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テーマ : 自作小説 - ジャンル : 小説・文学

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